とにかく型に当てはめるだけで、いろんな印象をつくることができました。当然、どの伝え方が正解かは、Iさんと彼女の関係や状況によります。そのシーンにふさわしい最適解を選ぶために、選択肢を幅広く思いつけるようにふだんからこういう型があることを意識して吸収することが大事です。
という感じで、ここまでいろんな「伝え型」によるアプローチを考えましたが、実は、今回の実践編には別の狙いがあります。それは「好意を寄せている相手への伝え方」というテーマ選びにあります。
人が人に「好き」だと告白する。その言葉には、その人が感じている真実の気持ちが込められているべきであり、そうでないと、相手の心を動かすような力は宿らないと思います。
先述したそれぞれの「伝え型」は、文字通り型にはめただけの言葉であり、このケースの場合、それは「答え」ではなく「ヒント」だと考えるべきでしょう。「伝え型」を使うこと自体が目的になってはいけません。手段に溺れず、本当に大切なことを見失わないようにしましょう。