今回の例で言えば、「Q?」が「最近読んで良かった本は?」なので、すぐに該当書籍が浮かべば、いきなり「A?」の欄を埋めてもらっても構いません。

 ただ、実際には「いきなりそんなこと言われても……」となってしまう読者さんが多いはずなので、まずは本の候補をリストアップするところから始めてみます。左端の1列分を使い、候補となる本のタイトルを書き込んでいきましょう。

 その際、7個フレームがあるからといって、無理に全てを埋める必要はありません。3冊しか浮かばないなら3個分だけ埋めてOKとしてもらって大丈夫です。

 記入が済んだら、「赤ペン」に持ち替え、本を1冊選びましょう。どうやって選ぶのかというと、「質問&動作」を活用します。具体的には、まず「人前でも話しやすそうな本は?」といった問いを立て、該当する本を〇で囲みます(図1-4)。

 続いて、「聞いてくれる人にとって有意義な本は?」と自問自答し、今度は△で囲ってみましょう。その際、1つ目の問いで囲ったものも再度選んでOKです。むしろ、そのために囲い方を変えているのだと捉え、積極的に重ねていってください。

 最後に、「うまくまとめられたら、成長につながると感じられる本は?」と考え、該当するものを□で囲っていきましょう。

 すると、〇△□が重なった本が浮かび上がってくるはずです。それを今回の書籍として選択し、フレームの右側にある「A?」の欄に、「赤ペン」で書きましょう。この例では、小林秀雄さんの『読書について』を紹介しようとまとまったので、そのタイトルが入れてあります。

 以上、淡々と解説してきましたが、これこそが、通常のビジネス書では「動詞」でごまかされてしまっている部分を、全て「動作」化した好例です。

「優先順位がつけられません……」「自分なりに決断したり選択したりすることが苦手です……」「何が大事なのか良く分からなくなってしまいます……」等々。読書に限らず、こういった悩みは「質問&〇△□△□」による「動作」化によって解決できるのです。

 今後、選択や判断に迷った時は、このアクションをぜひ試してみてください。