「紙1枚」読書法~トヨタで学んだフレームワークを実践する3つのステップ写真はイメージです Photo:PIXTA

今回はいよいよ、「紙1枚」読書法の実践フェーズです。トヨタで学んだフレームワークを用いて「最近読んで良かった本は?」というテーマで実際に書いてみましょう。

※本稿は、浅田すぐる 著 『早く読めて、忘れない、思考力が深まる 「紙1枚! 」読書法」』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。

実践フェーズへ、「紙1枚」を書いてみよう

 前回は、この「紙1枚」読書法がトヨタの「1枚」フレームワークという独自のビジネススキルであり、なぜ本の内容を忘れず、身につくようになるかを説明しました。

 それでは、早速「紙1枚」を書いてみましょう。

 まず、手元に「紙」と「緑・青・赤3色のカラーペン」を用意してください。紙は、コピー用紙でもノートでも、何かの裏紙でも構いません。ただ、最低でもA5サイズ以上が良いため、小さなメモ帳は避けた方がベターです。

 本稿では、できるだけ手軽に取り組めるように、A4サイズのコピー用紙を使った例で説明していきます。それを半分に折って、A5サイズにすると記入がしやすくなりますので、手元に手頃なノートがない方は、白紙のコピー用紙でやってみてください。

 また、3色のカラーペンについても、すぐに用意できる人は多くないかもしれません。その場合は、とりあえず黒ペンでもOKとしておきます。

 まず、上記のカラー図版に記載した手順にしたがって、「緑ペン」でフレームを作成してください。

「フレーム」を作成する理由は、前述の通りです。枠組みを設定することによって、頭の中だけでゴチャゴチャ考えるよりも思考整理が容易になります。

 また、「空白があると埋めたくなる」といった心理特性が活用でき、なおかつ「制約」があることで、停滞しがちな「めんどくさい」思考・「深める」思考・「没頭」思考が働きやすくもなるわけです。

 この点に関して、「白紙に好き勝手、自由に書きたい」派の人もいるかもしれませんが、私がトヨタ時代の資料作成を通じて学んだ本質は、フレームのような「制約」が「スロー」思考のトリガーになる点でした。今後、何枚か書いてもらう中で、この本質を体感・納得・肚(はら)落ちさせてもらえると嬉しいです。

「1枚」フレームワークには様々な型のバリエーションが存在し、他の拙著では本書とは異なるフレームの書き方も紹介しています。ただ、読書に特化した本書に関しては、この型1つだけでOKです。

 だからこそ、まずは早く書き慣れてほしいと願っています。10パターン覚えてくださいと言われたら大変だと思いますが、今回は3種類ですらありません。

 たったの「1つだけ」です。