当初は抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、10枚も書けば慣れてきます。歯磨きと同じくらい日常化してしまえば、動作レベルでストレスを感じることはありません。
むしろ、線を引く行為には、スポーツや音楽の世界における予備動作やルーティンのような効果もあります。フレーム作成を通じて、「これからしっかり考えていきたいから、脳よ、ちゃんと働いてね」といったマインドセットの調律・チューニングができるわけです。
加えて、練度が上がればこの予備動作だけで、「深める」思考のスイッチを入れることが可能になってきます。武芸における「型」のようなイメージで取り組んでみてください。
3ステップで体感してみる
ここからはフレームの書き方ではなく、使い方の説明に移ります。基本的な使用法を知ることにフォーカスして、読み進めてもらえれば大丈夫です。
テーマは、「最近読んで良かった本は?」にしておきます。本の感想について、人に分かりやすく説明できるようになる。そんな「紙1枚」の実践例だと捉えてください(図1-3)。
ステップ1:「日付」「テーマ」「問い」を書く
一番左上のフレームは、「緑ペン」で「日付」と「テーマ」を記入する場所です。サンプルの日付として「月日」、テーマは「本の紹介」と書いておきます。
続いて、右上の「Q?」と書かれたフレームを見てください。ここには、「目的」を達成することにつながるような「問い」を、緑ペンではなく「青ペン」で記入します。
このケースは本の紹介を目的にしていますので、それに応じた質問文となるよう、「最近読んで良かった本は?」と書いておきます。
ステップ2:紹介する本を決める
引き続き「青ペン」のまま、「紙1枚」の左半分を埋めていきます。左半分は今後、「メモ」欄のような位置づけで活用していく「自由度の高いフリースペース」だと捉えてください。たくさんキーワードを書き込む場合もあれば、空欄のままにするケースもあります。