誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【精神科医が教える】何となく抱いてきた願いを「本物」に変えるたった1つの方法Photo: Adobe Stock

“本当の願い”を見逃していませんか?
夢が叶わない人に共通する誤解

今日は「本物の願いと偽物の願い」についてお話ししたいと思います。

人はそれぞれに夢や願いを抱いていますが、その中には、本当の意味で自分が求めているものなのか、実はよく分からないまま「そう思いこんでいる」だけのものがあることがあります。

たとえば「お金持ちになりたい」という願いがあったとしても、本当にお金そのものが欲しいのかを考えてみると、「お金を得ることで何か別のことをしたい」「嫌な環境から抜け出したい」など、もう少し具体的な理由が見え隠れしていることが多いです。

実はそこにこそ、本当の願いが隠れているのです。

その願い、本物?
「結婚したい」と思う人が抱える意外な心理

同じように、「結婚したい」という願いを抱く人には、実際は「周りがみな結婚しているから、なんとなく自分もそうしたほうがいい気がする」といった程度の気持ちの人もいるでしょう。

いざ詳しく問いかけてみると、本当は結婚そのものが願いなのではなく、「孤独が嫌だ」「寂しさを埋めたい」「実家を出たい」など、別の動機が潜んでいる場合があります。

そうした本当の気持ちを、自分自身が意外と把握していなかったりするのです。

出世がゴールじゃなかった?
あなたの本音を探る

たとえば、「出世したい」という願いを抱く人も、実際には「周囲から馬鹿にされているように感じて苦しいから、出世して見返してやりたい」という思いが隠れているかもしれません。

そうすると、本当の願いは出世ではなく、「馬鹿にされないような関係性が欲しい」ということになるわけです。

これは、不安や恐怖、受け入れがたい感情などから自分を守るために無意識に働く“防衛機制”と似た心理で、自分が本当に欲しているものをストレートに認識できず、表面的に分かりやすい願望を掲げている可能性があります。

迷ったときこそ試したい
「自分らしさ」を取り戻す問いかけとは?

自分が思い描く夢や願いが「本当に自分の心から湧き上がっているものなのか」をときどき振り返ってみると、意外な発見があるかもしれません。

迷子になっているように感じるときこそ、「実際に得たいのは何なのか?」「それが自分にとって本当に大切なものなのか?」を問い直してみるのです。

そうすることで、「何となく抱いていただけの願い」ではなく、「自分らしさにつながる本当の願い」に近づけるでしょう。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。