メキシコ系移民のオスカー・シルバさん(24)は5月に米ノーステキサス大学を卒業した際、誇らしげに壇上に上がり学士号の証書を受け取った。同級生の多くは収入の良い仕事に就いたが、シルバさんは会計学と経済学の学位を生かしてキャリアをスタートさせることができなかった。米国での法的地位がないからだ。シルバさんは就職する代わりに、自身のような数千人の「ドリーマー(親に連れられて幼少期に不法入国した若者)」の地位を米議会が合法化するまで時間を稼ごうと、大学院の修士課程に進学した。そして、米国に不法滞在する数百万人の移民を強制送還することを公約に掲げたドナルド・トランプ氏が大統領に再選された。「精神的に参ってしまった」とシルバさんは言う。「自分の努力は全て無駄だったと思い、すぐに泣き出してしまった」