ここで反論する意味あるか?
迷った時のうまい「かわし方」

 ポジティブなリアクションが難しいのは、相手の話に「納得ができないとき」です。つまり、自分の考えと異なる発言があったときや、自分の考えを否定されたときです。そんなとき、どういう反応をすべきでしょうか。

 人間誰しもプライドはあるので「いやそうではなく…」と食い下がりたい気持ちにはなりますが、そこで冷静に考えてみましょう。ここで反論し、論破することにどれだけ意味があるのかということを。

 相手の話が、自らの尊厳に関わることや、自分が進めている取組に関わることならば別ですが、単なるその場限りの話で、反論したって無意味、波風立てる意味が全くない、と判断すれば、適当に「そうなのですね」「なるほど」と共感しておけばOKです。必要ないところで戦っても、何の戦果もありません。

 ただし、人の悪口に対しては、適当な感じでも「共感したリアクション」をすることはよくありません。相手が聖人君子でもない限り、時として人に対する愚痴や悪口などが出ることはあるでしょう。そういう場合は、迂闊に「共感」してしまうと、自分が言ったかのようにされてしまう恐れがあります。かといって、正論を振りかざし「そんなことを言うのはよくない」「○○さんは、そんな人ではない」などと言ってしまうと、矛先が自分に向いてしまう恐れもあります。

 ですので、悪口や愚痴のような話題については、一応受け止めつつも、上手くかわす、否定も肯定もしない方法を覚えておきましょう。具体的には、相手が言った、その内容自体に共感するのではなく、相手の「自分にはなかったものの見方や視点があること」に共感するという方法です。

 否定も肯定もしたくないときの「かわし方」例

●「そういう見方もあるんだね」

●「それは、今までになかった捉え方です」

●「確かに、いろいろな考え方はあるよね」など

 全ての話題を、正面から受け止める必要はありません。あまり生産的ではない話題だと感じることができれば、上記のような「かわし方」で、さらりと切り抜けていきましょう。

暗い話を明るくできる
「ポジティブ変換」技法

 人間関係を続けていると、時として、相手側の暗い話題、悲しい話題に立ち会ってしまうものです。そんな、どうしても真面目なコメントを出さざるを得ないときに、思ったことをストレートに伝えてしまうと、表現の仕方によっては、ネガティブな印象を与えてしまいかねません。