異文化が交わる環境で働く際のカギは、文化の「違い」を理解し、活かすことだ。インド人のジュガール精神やインドネシア人の感情管理、日本人と合うミャンマー人の特性など、多様な価値観に触れることで、新たな仕事の可能性が広がる。互いの違いを尊重する異文化交流のヒントとは?※本稿は、千葉祐大著、Yukoイラスト『今日も異文化の壁と闘ってます:違いを乗り越えて仲間になる!外国人材マネジメントのツボとコツ』(三笠書房)の一部を抜粋・編集したものです。

「ダメ元でやる」「絶対にノーと言わない」
インド人が驚くような行動をする理由

漫画同書より転載

「何でもダメ元でやって、結局ダメな結果に終わる」

「大きな仕事をするときでも、準備や段取りをあまりしない」

「はた目には難しそうでも、絶対にノーと言わない」

 これらは、インド人と働いた経験がある日本人が語る「インド人あるある」です。

 インド人の中には、日本人から見ると驚くような行動をする人がいます。ただ、それで「インド人はおかしい」と決めつけてはいけません。こうした行動の背景には、ちゃんと理由があるからです。

 インド人のマインドには、「ジュガール」という生きる知恵が浸透しています。目の前で起きたトラブルは、目の前にある資源を使って乗り越えられるという発想です。

 多くのインド人は、「必要な資源がなくても、ジュガールを発揮して工夫すれば解決できる」と考えています。英国レガタム研究所の調査によれば、インド人ビジネスパーソンの81%が、「成功できたのはジュガールのおかげ」と信じているといいます。

 ジュガールは、予定したプロセスを順番に積み重ねていく日本人のやり方とは真逆の発想です。だから、「日本人とインド人を足して2で割ったら、最強のビジネスパーソンになる」というジョークを言う人もいるくらいです(笑)。

インドネシア人はなぜ
「怒らない人たち」なのか?

漫画同書より転載