シャキッとした動きが好印象
自然で適度にスポーティな実力派
走りは、プラットフォームから予想されるように完成度の高さを感じさせてくれた。ボディ剛性は高く、ステアリング操作に対しシャキッとした動きを見せる。その反応は早くそれなりにスポーティだが、スポーティすぎないところがいい。乗り心地も悪くない。ロールはしっかり抑えられ、キャビンはフラットにキープされる。試乗車は17インチタイヤだったが、マッチングに違和感なし。SUV専用タイヤと相まって挙動を安定させてくれた。
アクセルに対するパワーの出方が自然なのが好印象。BEVだからといって、元気にピーキーに仕立てる時代は終わったといっていいかもしれない。ガソリンエンジンのようにアクセル開度のコントロールが自在にできる。それでも、スポーツモードにするとかなり速く走れる。場面によっては思った以上に反応が鋭く、その意味ではBEVっぽくなるが、モーターの恩恵が素直に感じられる。高速道路での合流や追い越しなどに効果的に使うといいだろう。まぁ、ずっとそれで都内を走っていたら、電費はかなり悪くなりそうだが。
アベンジャーのプライスは580万円。発売を記念して電動サンルーフ、18インチアルミなどを特別装備した150台限定のローンチエディションは595万円となる。装備を考えるとこの価格差は安い。とはいえ、お勧めは17インチの標準車かな。いずれにせよBEVの中で魅力的な1台であることは間違いない。
(CAR and DRIVER編集部 報告/九島辰也 写真/横田康志朗)