初めて訪問する企業で「感じのいい雑談ができる人」は、向かう途中に何を考えているのか?
それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さんです。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか? この連載では、「顧客ロイヤルティ」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきたノウハウを、さらにわかりやすくお伝えします。本稿では、本書には入りきらなかった「気づかいのコツ」について紹介しましょう。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

初めて訪問する企業で「感じのいい雑談ができる人」は、向かう途中に何を考えているのか?Photo: Adobe Stock

感じのいい人の雑談

 取引先での雑談、あなたは得意ですか?

 会議の本題に入る前のアイスブレイク的な場面では、慣れていない方にとって、「何を話せばいいんだろう?」と焦ってしまうことも多いようです。

 そんなとき、あらかじめ雑談のネタを少し用意しておくだけで、ぐっと気持ちが楽になります。

 たとえば、取引先のホームページを確認して、会社の情報や最新のニュースに目を通しておくのはよくある方法ですよね。

 ただ、先方のオフィスに向かう途中でも意外と話題が見つかるものです。

向かう途中で考えていること

 たとえば、「駅から近いんですね」と言えば自然と交通の話に繋がります。

「〇〇駅は久しぶりでしたが、すっかり周辺が変わっていて驚きました」と軽く印象を伝えるだけでも会話が広がりやすくなります。

 また、建物が素敵なオフィスビルなら、「とてもおしゃれなビルですね」とか、受付にアートやディスプレイが飾られている場合なら、その点を話題にするのもいいでしょう。

 以前に訪れたIT企業の受付には、まるで映画に出てくる未来的なタッチパネルが設置されていました

 そのことを商談相手に伝えると、タッチパネル導入の経緯を話していただき、いいアイスブレイクになったことがあります。

感じたことをさりげなく

 このようなさりげない話題は、相手も意識せずに返答しやすく、自然な雑談のきっかけになります。

「御社は設立〇年と拝見しましたが…」と、いかにも「ホームページの沿革まで予習してきました!」という話題よりも、感じたことをさりげなく話す方が、相手も気が楽なものです

 あくまで雑談ですから、あまり構えず、その場で見たこと・感じたことをきっかけに、会話を始めてみてくださいね

(本記事は、『気づかいの壁』の著者・川原礼子氏が特別に書き下ろしたものです。)

川原礼子(かわはら・れいこ)
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)が初の著書となる。