SAPIXでも、難易度のちょうどいい教材を作成することに常に試行錯誤しています。教育関係者ですら難しいのですから、保護者であればなおのことでしょう。
では、家庭では何ができるのでしょうか。
それは子どもが好きな、あるいは好きそうなものを選んで取り組む機会を提供することです。
ナンバープレイスと呼ばれる知育系のパズルゲームは、大人でも趣味で取り組んでいたり脳トレで使っていたりしますよね。
また、お絵かきパズル「ピクロス」も子どもに人気です。市販のパズルや迷路、間違い探しなどは、子どもたちが真剣に頭を使う格好のツールです。もし、すでに子どもが喜んで取り組んでいるゲームやパズル、熱中しているものなどがあれば、それを大事にしてあげてください。
または、単純に子どもが好きなキャラクターが描かれている教材を渡してみるといった方法でもよいでしょう。
これらに取り組むことで、注意力や読解力、分析力、条件整理能力、計算処理能力など、いろいろな力が高まっていく可能性があります。
SAPIXでは、低学年の保護者から「先取り学習をして知識を早めに教えたほうが入試に役立つのではないか」といった相談を受けます。
しかし、そうした保護者に対しては、「低学年の頭が柔らかい時期こそ、いろいろな経験をして自分で考えていくことに慣れるべきです」と伝えています。
低学年だからこそ、机に向かう勉強だけに限定せずに、頭を使う楽しさを思いっきり味わっていく。子どもが没頭しているさまざまなことを認めてあげることが、非常に大事なのです。