そのほうが生きていくための気力を取り戻す近道になるように思います。
まずは差し障りのない範囲でおこなうこともポイントの一つです。
みずからの体の声を聴きながら、簡単な体操や散歩などをしてみてはいかがでしょうか。
POINT 太陽の光を感じる。今日はそれだけでいい
心も体も疲れているのに
亡き母を思い出して眠れない
Hint 朝起きて、夜寝ていますか?
生活のリズムを自分なりに整える
夜、眠れなくなったり、朝、起きられなくなったり、生活のリズムが乱れがちではありませんか。
大切な人を亡くして深い悲しみの中にいるときは、眠りが浅かったり、夜中に何度も目が覚めてしまったりすることもあります。
母親を亡くした60代の男性は、眠れないと吐露されていました。
「心も体も疲れているのに、なかなか眠れないんです。夜になると、母のことを思い出してしまって……。やっと寝つけても、風の音やちょっとした物音ですぐに目が覚めて、そしてまた母のことを考えてしまうんです」
日中は人と接する機会があって気がまぎれても、夜になると、さみしさがいっそう募ることがあります。
逆に、朝がつらいという人もいます。目が覚めて、亡き人がいないことを実感して、埋めようのない寂寥感に襲われるからです。
「今日もやっぱりいない……と、夫のいないベッドをしばらく眺めることから朝が始まります」と話してくれたのは夫を脳腫瘍で亡くした60代の女性でした。
片づけることのできないままの亡き夫のベッドには、今もまだ夫の着ていたパジャマがそのまま置いてあるそうです。
「『片づければいいのに』と娘や息子は言いますが、それもできないんです」と寂しそうに話されていました。
とくに、同居していた家族を失い、ひとり暮らしになるなど、生活の環境が大きく変化した場合には、食事や睡眠を含め、これまでの生活習慣が一変しがちです。生活のリズムの乱れは、体の不調につながることもあります。
生活リズムを整えるための一つの方法として、毎日同じくらいの時間にベッドに入って、同じくらいの時間にベッドから出るのもいいでしょう。
先ほどの60代の男性は、眠れなくても毎日22時にベッドに入って、朝6時までは何があってもベッドで過ごすことにしたそうです。