散歩のおかげで顔見知りが増えて
笑顔を取り戻した
寝る時間、起きる時間を決めることで、ずいぶんと生活のリズムが整ってきたようです。
「母が生きていた頃のようにはいかないし、さみしいけれど、少しずつひとりの生活にも慣れていかなければいけないなと思うようになりました」
そう話してくれた表情は、以前よりもおだやかなように感じられました。
新しい生活環境に応じて、自分なりの生活のリズムを探してみてはいかがでしょうか。なるべく負担の少ない生活のやり方を考えてみるのがいいでしょう。
心と体は互いに関係しており、いくら気持ちの面で頑張ろうと思っても、体調が悪ければなかなか気力もわいてこないものです。生活リズムや体の調子を少しずつでも取り戻すことが、気持ちを整理する近道になると思います。
また、生活の時間を整えることで、社会とつながりやすくなる利点もあります。
坂口幸弘・赤田ちづる 著
先ほどの60代の男性は、決まった時間に散歩にも出かけるようにしたそうです。そうすると、毎朝「おはようございます」とあいさつを交わす人ができて、だんだんと立ち話をするようになりました。
「これまで近所の人とのつながりはまったくなかったけれども、顔見知りになった人が増えてきました。来年は、小学生の登下校時間の見守り活動に参加してみようかなと思っています」
少し笑顔を見せながら話してくれました。
今はまだ今日のことで精一杯で、明日のことなんて考えられないかもしれません。ですが、生活のリズムが整い、気持ちに余裕が出てくれば、少し先の自分に目を向けられるようにもなります。
あせる必要はありません。場合によってはまわりの人の助けも借りながら、自分のペースで日々の生活リズムを少しずつ整えていくのがいいと思います。
POINT 寝る時間と起きる時間を決めることで生活リズムを整える