宇宙をイメージした壮大なVR(仮想現実空間)映像技術を駆使し“グローバル”をアピールした2024 MAMA AWARDS。K-POP新時代の幕が開けた。AERA 2025年1月20日号より。
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K-POPグループはなぜここまで人気なのか。その理由を尋ねてみると、「ファンサ」「仲の良さ」「美しさ」という三つの“さ”がつくキーワードが挙がってきた。ファンサとはファンサービスのことで、それぞれのグループのファンダム(ファンの集団)には必ず固有の名前がつけられ、メンバーは受賞のあいさつでもファンダムの名と共に必ず「サランヘヨ(愛してる)」と語りかける。
韓国ドラマを見てわかるように、韓国では家族にも友達にもファンにも「愛してる」という言葉を使う。サラン(愛)が強いのだ。
そして韓国では、同性同士、友達同士でも、手をつないだり抱き合ったりベッドで一緒に寝たりする。それは特別ではなく一般的なことで、グループメンバーでベタベタしたりふざけたりしている様子を見てファンは「わちゃわちゃしているところがカワイイ」と目を細める。ファンとの交流も密だ。
そして究極は「美しさ」。日本でダンスを習っている人たちは、K-POPアイドルのダンスに対するプロ意識の高さと美しさを評価する。「体が柔らかくてひとつひとつの動きがなめらか。体のラインがきれいでしなやか。そこが日本のアイドルとは違う」という。
これらを念頭に置いて昨年11月に日米で開催され、9万3千人を動員した2024 MAMA AWARDSを見てみると、MAMAはまさに、三つの“さ”をファンに見せる発表の大舞台とわかる。今回、6冠を達成したaespa(エスパ)は、ガルクラ系(ガールクラッシュの略語。女性が憧れる強い女性のこと)の黒の衣装で登場。大賞「ソング・オブ・ザ・イヤー」を受賞した楽曲「Supernova」のパフォーマンスは、パワフルな美しさが際立っていた。