売りから入るトレード
下落が期待できる英ポンド
為替市場は第2期トランプ政権が発足した1月20日の就任式前後に上下に荒っぽい動きを見せた。第1期トランプ政権でも見られたが、トランプ大統領の発言などをきっかけに為替相場が不安定な動きを示すことが今後も予想される。
ドル円相場は、米国の利下げ期待が後退したから日米金利差が当面高い水準を維持するとの見込みからドル買い・円売りが有効となる可能性が高い。ただ、市場全体のリスクが高まる中、金利差を狙った中長期投資だけではリスクもある。
トランプ大統領の過激な姿勢が荒れた相場展開につながった場合、下落が予想される通貨を売り、為替差益を狙うという取引も選択肢に残したいところだ。とはいえ、大統領発言の対象として、発言内容で右往左往するような通貨は、常に相場をみている専業の投資家はともかく、一般の投資家にとっては投資対象になりにくい。そこで、ある程度じっくりと売りから仕掛ける通貨を選択するのも一案だろう。
荒れた相場展開でも下落が期待される対象の一つに英ポンドがある。ただし英ポンドは金利が高いため、仮にポンド売り円買いのトレードをすると、それなりに大きな金利差(スワップポイント・1日当たり250円程度/1万通貨)を日々支払うことになる 。
そこで円を買うのではなく、英ポンドとの金利差の小さい米ドルを買うことで、日々支払う金利差を小さくする(1日当たり8円程度/1万通貨)ことができる。後述するが、今後は金利差の逆転によってポンド売り・ドル買いのポジションであってもスワップポイントを(支払いではなく)受け取ることも期待できる。