だから、お金持ちは意外なくらいに成功者の研究をしています。これこそ彼らの勉強なのです。
低リスクで儲けたいならなおさら、すでに好結果を出したビジネススタイルをどう取り入れるかを考えることは、とても重要です。
かつての『松下電器』(現・パナソニック)は「マネシタ電器」と揶揄(やゆ) されるぐらい、他社のマネをしていました。大資本がマネをするとオリジナルより評価を受けたりすることがありますから、これも合理的なやり方でしょう。
実際、アメリカのビジネススクールの講義では、理論よりも実例の紹介と分析を重視しています。つまり失敗例の研究も含めて、より多くのケーススタディを学ばせるのです。
「なぜこのビジネスモデルが成功したのか」
「このケースが失敗した理由は、なぜなのか」
これこそが、まさに実践的な“儲かるための勉強”にほかなりません。
人間の思考力には、著しく大きな差はありません。だから、すでに成功を収めた人のマネをするのは勝つための近道。
オリジナルの発想にこだわりすぎるから、大事な1歩が踏み出せないのです。できるだけ成功例に素直にしたがって、正確にマネをしたほうがうまくいきます。
ビジネスパーソンの能力は「いくつの方法を知っているか」
あるいは、競合相手の対応を見ながらプラス1を付け足す方法もあります。
いわゆるシアトル系カフェの『スターバックス』と『タリーズ』ですが、全面禁煙のスタバに対して、タリーズは喫煙席を設けた店舗を出しています。これも1つの差別化ですね。
誰でも探す気になれば、成功例はいくらでも見つかります。
巷にはビジネス書があふれています。大事なのは、これが使えると思ったやり方をすぐにマネしてみる姿勢です。
手っ取り早く自分の仕事に活かしたければ、身近な成功者を探せばいいでしょう。
職場に仕事が速い人がいるなら、とりあえずその人のマネをしてみること。自分では無理だと思っていた仕事量が、意外にラクにこなせると気づくこともあります。