「もっと信頼されたい」「努力を評価してもらいたい」「いつかは出世したい」……そんなあなたにおすすめなのが、越川慎司氏の著書『会社から期待されている人の習慣115』だ。マイクロソフトの元役員で、独立後はビジネスパーソンの働き方改善を支援してきた専門家である越川氏が、815社・17万3000人の行動を徹底分析して職場で評価される人たちの共通点を明らかにした。この記事では同書から、評価された人の71%が実践していた「ある習慣」を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

泣きたくなるほど「職場で信頼されない人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

「AIの回答」を、そのまま提出していないか?

 AIを使えば、資料はすぐにできる。それなりに整っているし、文章もきれいだ。

 だから、そのまま提出してしまう。「むしろ効率的だ」とすら思っているかもしれない。

 しかし、その一手が、信頼を大きく下げている。

 815社17万人の「働き方改善」を支援してきた専門家である越川慎司氏は、著書『会社から期待されている人の習慣115』で、次の調査結果を紹介している。

調査の結果、一般社員の32%がAIで作った資料をそのまま上司に提出して怒られた経験があるとわかりました。
AI出力をそのまま提出して上司からの信頼を失ったと感じた一般社員も61%いました。実際、多くの管理職がAIに丸投げした成果物に違和感を覚えています。
――『会社から期待されている人の習慣115』より

「それっぽい資料」はAIで簡単に作れる。

 だが、上司はその“手抜き”を確実に見抜いている。

評価される人は「AI回答をそのまま使わない」と決めている

 では、評価されている人はAIをどう使っているのか。

 越川氏は、その違いについてこう述べている。

一方で、期待されている人たちの71%が、AIの回答をそのまま使わないというルールを自分に課していました。
AIを使わないわけではありません。
「AIは下書き。本番は自分で書く」というこだわりを持っていたのです。
――『会社から期待されている人の習慣115』より

 AIに任せるのは骨格まで。最後は必ず、自分の言葉で仕上げる。

 この一手間が、決定的な差になっていた。

AI回答は「たたき台」にして、自分の言葉で仕上げる人が評価される

 また、さらに効果的なAI活用法として、越川氏はこのように述べている。

さらに効果的なのが、AIの提案に「自分の経験」を加えることです。
たとえば、AIが出した改善案に「以前、私が担当したA社でも同様の課題があり、このように解決しました」と実体験を添える。
この習慣を持つ人は上司からの差し戻しが33%も減少していました。
――『会社から期待されている人の習慣115』より

 AIの提案に「自分の経験」を加えるだけで、上司からの差し戻しが33%も減る。

 驚異的な効果だ。
 この調査結果は、たまたまではない。

 なぜなら越川氏は、再現実験も行なっている。

実際、弊社が検証した28組織でも、AI出力を自分の言葉で再構成する習慣を取り入れた社員の68%が「差し戻しが減った」もしくは「上司に褒められた」と回答しました。
――『会社から期待されている人の習慣115』より

 AIを使うこと自体は問題ではない。しかし、AIの回答をそのまま提出する人は、評価を得られない。

 職場で評価されている人に共通するのは、AIをたたき台を作る道具として使っていること。

 AIの出力を確認して、必ず「自分だったらどう言うか」を当事者目線で考えて自分の手で最後の仕上げをおこなうからこそ、成果物に血が通い、信頼が積み上がっていたのである。

(本稿は、越川慎司著『会社から期待されている人の習慣115』に関連した書き下ろし記事です)

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。