ちなみに、エディプスコンプレックスの「エディプス」はオイディプス王を指します。フロイトは「男子には無意識のうちに父を殺して母とつながろうとする葛藤感情がある」と主張しました。
いちいち古典を読むのは大変。もっと簡単に古典の内容を押さえたいという人は、『100分de名著』(NHK Eテレ)を見ることをおすすめします。一流の専門家が100分で名著のエッセンスを解説してくれます。
私の教え子は古書店で『100分de名著』のテキストを大量に買い込んで読破しているといいます。テキストならポイントが押さえられていますし、多くの古典をチェックしやすい。非常に賢い方法だと思います。
『源氏物語』に見る
古典作品のアイデア
時代を超えて読み継がれる古典作品には、アイデアが詰まっています。
『源氏物語』などは、「花散里」「澪標」といった各巻のネーミングだけでも魅力的です。それぞれの巻名が何に由来しているか知るだけでも、この大傑作の並々ならぬ美意識を感じます。
1巻ごとに1人ずつヒロインが登場する仕組みも秀逸です。光源氏は主人公とされていますが、実際には狂言回しのような立ち位置にあり、1人ひとりの女性の境遇や生き方に、物語の本質があります。
『源氏物語』には作者の紫式部が作った作中歌が約800首も収載されています。その力量と仕かけには、ただただ感嘆するばかりです。
『源氏物語』を丁寧に読み進めるのは難しいという人でも、漫画作品の『あさきゆめみし』(大和和紀著、講談社)を読む方法もありますし、ネットで各巻の巻名の解説を読むだけでも結構な学びになります。
私は国語の教師を目指す学生たちに、『源氏物語』を少しでも知ってほしいと考え、2024年はコントにチャレンジしてもらいました。「今年はNHKの大河ドラマでも『光る君へ』が放映されるから、やるなら今しかないよ。一生忘れない思い出になるから、やってみようよ」