実は、似たような話が、『ギリシャ神話』にもあるのです(編集部注:ペルセポネの冥界下り)
『ギリシャ・ローマ神話』は特に面白く、現代にも通じる比喩の宝庫といえます。1つの例を挙げましょう。
古典に描かれる
人間の思考の原型
ナルシシズム(自己愛)に溺れて自滅するというのは、現代的な話でもあります。ほかには『オイディプス王』などもぜひ読んでおきたい物語です。以下に、簡単なあらすじをご紹介します。
成長したオイディプスはコリントスから旅に出て、その途中で偶然出会ったライオスを、父と知らずに、殺してしまう。
その後、オイディプスはテーバイ王となり、イオカステを妻に迎える。
しかし、彼には悲劇が待っていた。自分自身が父親を殺し、母親と結ばれていたことを知ってしまったのだ。
結末は、ぜひ実際に読んで確認してください。
『オイディプス王』は人間のタブーである父殺しと母との姦淫という2つの悲劇をテーマにした大傑作であり、もはや乗り越えが不可能な物語です。カフェで1時間もあれば簡単に読めますから、コスパやタイパを求めたいなら読まない手はありません。
古典を読むと、それが人間の思考の原型となっていることがわかります。例えば『オイディプス王』を読むだけで、フロイトの「エディプスコンプレックス」という概念が理解しやすくなります。