いつものことだ。ドナルド・トランプ米大統領が二転三転させる関税を巡り、3日の米株式市場は一時打撃を受けたが、不安は次第に薄れていった。このことから分かるのは、トランプ氏は歳入の徴収や企業の米国移転強制のために関税を活用すると言い続けているが、実際には他の問題で譲歩を引き出すためにそうするつもりだ、と投資家が確信していることだ。
3日、関税が強気相場を崩壊させないという投資家の確信はほぼ正しいことが証明された。この日のS&P500種指数は0.8%の下げにとどまった。トランプ氏が発動直前にメキシコからの輸入品に対する25%の関税を1カ月間延期したことが背景にある。カナダのジャスティン・トルドー首相は、トランプ氏が同国からの輸入品に対する関税も延期することで合意したと述べた。一方、中国は対米輸出に課される10%の追加関税について交渉を望んでいる。
全くのエンターテインメント、あるいはホラーなのかはさておき(当人がカナダ人かどうかにもよるのだが)、3日の相場は投資家が考えていることについて多くのことを教えてくれた。このことは、トランプ氏が他の国々に目を向ける時、あるいはメキシコとカナダに再び注目する時に役立つだろう。
市場の大きな変動から得られた三つの教訓がある。一つ目は、投資家が関税を非常に一時的なものとみなしていることが確認できたこと。二つ目は、関税の効果についてトランプ氏と投資家の意見が一致していないという確たる証拠が示されたこと。そして三つ目は、たとえバリュエーションが主に人工知能(AI)への期待によるものであっても、大手テック株が関税の影響を免れないという証拠が示されたことだ。