言い換えれば、部下が上司に求めているのは「知らないことやできないことを教えてくれる指導者」としての存在であり、また「自分の立場やつらさを分かってくれる理解者」としての存在と言えます。
スキルとメンタル両面におけるサポーター、メンターであってほしいという期待であって、部下の期待にも応えていく管理職は、本当に大変で「こっちの大変さも分かってもらいたい」という管理職の嘆きが聞こえてきそうです。とはいえ、管理職の孤軍奮闘では思うような結果を出せない時代。大変ですが、乗り越えなければなりません。
チームで結果を出すためには、まず部下への関心を高めることからスタートするべきです。彼、彼女の目標や現状、背景、未来像を考え、それを分かち合うことがよきサポーター、メンターへの第一歩と言えます。
上司がサポーターやメンターの心構えで継続的にサポートすることで、部下にとって上司が心の拠り所となり、強い信頼関係に近づくのではないでしょうか。
「Give&Given」という言葉を頭に思い浮かべてみるのも一案です。
まず「自分が人に何かを与える=Give」を実践すれば、自ずと人からも何かが与えられる=Givenということになります。
これが管理職の心のスタンスで、ここに部下が気づくと、部下からも上司や周囲に「与える」ことが意識されはじめます。
チームにこうした姿勢が浸透すれば、管理職自身の充実感にもつながってきます。
部下を本当に成長させるのは
「任せる勇気」
部下を成長させるためには、現状よりレベルの高い仕事を完遂させることも考えなければなりません。
事上磨錬、人は仕事で磨かれます。
部下が努力を重ね、試行錯誤しながらも難易度の高い仕事をやり切れば自信につながります。
レベルアップした仕事に着手する方法のひとつに、上司の仕事を部下が譲り受け、新たな担当者となってその仕事を推進していく業務委任が考えられます。上司の持つ仕事の多くは難易度が高いため、仕事を委任することは部下の成長にとって好ましいことです。
業務委任を進める際、まず上司が委任する業務の内容、目標、有効な手法などを明確に設定し、部下と共有することが必須です。