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管理職にとって理想なのは、上司からも部下からも信頼され、組織が円滑に機能するような「貢献力」を持つことだ。信頼を築き、チームを主体的に引っ張る管理職になるにはどうすればいいのか。組織の連携をスムーズにするために、管理職が身につけておくべき報連相の極意とは。※本稿は、岡野隆宏『管理職の手帳 BASIC100 部下に慕われ、上司に頼られる仕事のヒント』(あさ出版)の一部を抜粋・編集したものです。
上司も部下も味方につける
管理職の「貢献力」とは
管理職は部下としても、上司から見て貢献力の高い部下であることが求められます。
貢献力とは、部下が上司の意向を理解し、組織目標の達成に向けて献身的な姿勢を持ち、忠実に実行することを指します。
当然ながら最大の貢献は成果を出すことですが、成果を出すには正しいプロセスを経なければなりません。ところが、正しいプロセスの必要性を頭では理解できても、現実的に心で受け入れられない場面があります。
いわゆる、やる気が出ない、モチベーションの下がった状態です。
たとえば、会議で批判力を発揮し、よかれと思い提言したのにその案を否決された時などは、会議の決定を受け入れられない心理に陥ることがあります。
しかし、ビジネスパーソンに求められる基本動作は「議論には全力を尽くす」、結果、提案が通らなくとも組織の意思決定に従い、その遂行には一致団結し全力で臨むことです。
しかし人は弱いもので、自分の提案を否決されたことを、あたかも自身が否定されたかのように受け止め、職務遂行へのモチベーションを大幅にダウンさせてしまうことがあります。また否決されたことで感情的になり、反発心を増幅させてしまうこともあります。
貢献力とは、目標達成に向け、期待される役割を全うすることです。個人の感情を優先させることがあってはなりません。
自分の意見が否定された時は、上司の意見があたかも自分の意見であったかのように、周囲が驚くほど率先して主体的に、チームのメンバーをも巻き込んで喜々として取り組むことが大切です。
管理職に求められる理想的な部下力の発揮、貢献力の発揮とはこうした周囲への好影響をもたらす行動と言えます。
管理職として、上位者から信頼され、模範となる部下を目指しましょう。