誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、33万部突破シリーズ『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)に続く『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

悩みはない方がいいのか?
悩みというものは、すべてが悪いわけではありません。しかし、基本的には悩みは少ない方がいいと私は考えています。悩みがないことは、決して悪いことではありませんし、極限まで減らせるなら減らした方がいいのです。
では、「良い悩み」と「悪い悩み」の違いとは何でしょうか? 実は、ほとんどの悩みは「悪い悩み」だと私は思っています。
悪い悩みとは何か?
悪い悩みとは、頭の中にずっと残ってしまい、何をしていても気になってしまうものです。例えば、何かをしている最中でもふと頭をよぎり、不安を感じたり、落ち着かなくなったりする。こうした「気になる状態」を生み出す悩みは、悪い悩みです。
人は、今この瞬間を楽しむことで幸福を感じるものです。しかし、悪い悩みはその幸福感を邪魔します。何をしていても不安がつきまとい、心が休まらない。だからこそ、こういった悩みはできるだけ減らしていくべきなのです。
良い悩みとは何か?
一方で、良い悩みというものも存在します。それは、悩むことで答えが出たり、あるいはすぐに答えが出なくても、自分がどうすべきかを考え、前向きな結果につながる悩みです。
例えば、「このままでいいのだろうか?」「もっと良いやり方があるのではないか?」「自分にはどんな方法が合っているのか?」といった、建設的な思考へと導く悩み。これは、自分を成長させるための悩みなので、持っていても良いのです。ただし、疲れすぎない程度にすることが大切です。
悪い悩みを消す方法
多くの人が知りたいのは、悪い悩みの消し方でしょう。悪い悩みを減らすために最も大事なのは、「頭をお暇にしないこと」です。
もちろん、悩みをなくす方法はたくさんありますが、すべてを語ることは難しいので、今回はシンプルなポイントをお伝えします。それは、「今に集中すること」です。
もし、今に集中できないと感じる場合、それは何かに飽きてしまっている可能性があります。そのときは、新しいことを始めたり、環境を変えたり、少し休憩を取ることが有効です。こうした工夫をしながら、自分の頭の中から「気になること」を追い出してあげると、少し楽になるはずです。
悩みには種類がある
今日伝えたかったのは、悩みには2種類あるということです。悪い悩みとは、頭の中に湧いてきて、今目の前のことに集中するのを妨害するもの。それはすべて不要な悩みです。一方で、良い悩みとは、前向きな考えを生み出し、自分の成長につながるものです。
大切なのは、悪い悩みを減らし、良い悩みをうまく活用すること。そうすることで、より健やかに、そして楽に生きていけるのではないかと思います。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。