首都圏では鉄道駅徒歩圏外でも
地価が上昇している

 首都圏では、図表1-7のとおり、鉄道駅から徒歩圏外でも上昇している地点が多い状況となっていました。

図表1-7同書より転載 拡大画像表示

 特に、東京23区内だけでなく武蔵野市、三鷹市、川口市、市川市、浦安市などで10年前よりも地価が2割以上上昇していました。

 また、それ以外のエリア(市街化区域)でも、図表1-7のとおり、西武池袋線、東武東上線、JR東北本線、埼玉高速鉄道、東武伊勢崎線などで、駅から徒歩圏外の市街化区域で上昇している地点は多く見られますが、その上昇幅は徒歩圏内に比べて微増となっていました。

 つまり、東京への通勤圏内となるエリアでは、今でも駅から徒歩圏内かどうかが、地価の上昇率に影響する大きな要因になっていると言えます。

 少し前までは専業主婦がいる世帯では、妻が夫や子供を車で駅まで送り迎えすることも多く、駅への徒歩圏内という立地は今ほどには重視されていませんでした。

 しかし、近年、夫婦共働き世帯が増え、こうした変化に対応してデベロッパーも「駅近」のマンションや戸建住宅の開発にシフトしていることもあり、駅から徒歩圏内という立地ニーズが高まっていると考えられます。