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変なことが起きたら要注意
今日は「ちょっと変なことが起きたら要注意」という話をしたいと思います。
何か大きな問題が起こる前には、必ずといっていいほど、その予兆がポロポロと現れます。もちろん、突然の出来事というものもありますが、多くの場合、前触れがあるものです。
人間は大きな出来事に対して慎重になるので、そこではあまりボロを出さないものですが、細かい部分やどうでもいいところには意識が向きにくいため、そうした部分に変化が現れます。だからこそ、何気ない違和感を見逃さないことが大切なのです。
小さな違和感を見逃さない
たとえば、今まで特に気にしていなかったのに、急にどうでもいいことを確認し始める人がいたとします。前はそんなことを言わなかったのに、急に細かいことを気にするようになったとしたら、それは何らかの危機管理意識が働き始めたサインかもしれません。
また、以前は気にしていなかったのに、「これはどうなっているの?」「あれはどうしたの?」と細かく聞いてくるようになった場合、それはもしかしたら疑念が生まれているサインかもしれません。こうした小さな変化は一見些細に思えるかもしれませんが、実は大きな問題が生じる前兆であることが多いのです。
人は些細なことを忘れがち
こういった違和感に気づかない人も多いです。日常の些細なことをいちいち覚えていないというのは普通のことです。しかし、すべて忘れてしまうと、大きな問題が起きたときに「そんなことは思い当たりませんでした」「まったくの青天の霹靂です」となってしまいます。
でも、実際にはそんなことはないのです。大きな出来事が起こる前には、必ず何かしらの兆しがあったはずです。だからこそ、小さな変化を見逃さないことが重要なのです。
特に、一度や二度なら気にしなくてもいいかもしれませんが、二度三度と続くようであれば、「何かが起こっているかもしれない」と考えるべきです。
変化に備えることでリスクを回避する
何か違和感を覚えたときには、それを記憶に留め、必要ならば準備をしておくことが大切です。たとえば、人間関係において違和感を覚えたなら、少し距離を置くことで身を守ることができます。
もし相手が大切な人なら、「最近ちょっと変じゃない? 大丈夫?」と話を聞いてあげることも良いでしょう。組織の中で違和感を覚えたなら、少しずつ次の準備を始めるのもひとつの手です。たとえば、転職先を探し始める、別のグループに移るなど、早めに対策を取ることでダメージを最小限に抑えることができます。
こうした準備をしているかどうかで、何か問題が起きたときのスタートダッシュが大きく変わってきます。だからこそ、違和感を感じたら、それを軽視せず、しっかりと記憶に留めておくことが大切です。
自分の身を守るための第一歩
ちょっとした変化や違和感を軽視せずに、しっかりと観察することが、自分の身を守るための第一歩になります。
何気ないことが積み重なり、大きな問題に発展する前に、早めに対応できるようにしておきましょう。ということで、今日は「ちょっと変なことが起きたら要注意」という話でした。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。