さらに、子どもは赤ちゃんのときからこの世界で自立・自律できるようになるために全力です。その過程で、自分や他人、社会を信頼できるという信頼感を抱くことが欠かせません。そのためには、1人の人として尊重されている実感と体験が必要なのです。
子どもが話しかけたときにスマホを見たまま生返事をする、子どもが思いを伝えたときに「はいはい、わかったわかった」とまともに取り扱わない、「自分じゃできないんだから言うこと聞きなさい」と従うように強要するなど、してしまうことはありませんか?
少しどきっとした方もいるかもしれません。このようなことを忙しい日々だと、“つい”やってしまうということが起きますよね。とてもお気持ちわかります。しかし、それこそが子どもを1人の人として尊重できていない態度になってしまうのです。
もちろん、いつでも完璧に子どもにかかわることは難しいですが、あくまでも同じ人間として対等に捉え、尊重することを意識するのはとても大切なことです。
子どもの視点で
“今”を考えよう
3つ目は「子どもの視点で“今”を考える」ことです。今はVUCA(ブーカ)時代とも言われ、不確実性の高い時代です。
VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、現代社会がますます複雑化し、変化するスピードも早く、予測不能な状況になっていることを表します。
そのため、社会全体の「正解」がわからず、ましてや「正解だと思われていたこと」も数年で変わってしまうなんてことが起こります。
社会と教育・子育ては相互に影響し合っているため、そのような不確実性の高い時代での子育ては、より確かな“何か”を持って安心感を抱きたい気持ちを強くさせます。
みなさんも「何が正解か」がわからないまま子育てをしている感覚に陥ることはありませんか?