「社用携帯は24時間GPSオンで」「プライバシー侵害でしょ!」会社と社員の言い分、どっちが正しい?社用スマホずっとGPS機能をオンにしておくのって、プライバシーの侵害になる?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

社員に配布された社用携帯。ただし「GPSをオンにしておいて」――会社は業務効率化を図るためだというが、勤務時間外までGPSをオンにして位置情報が分かるようにするのは、24時間社員を監視しているようなものなのでは?両者の言い分について、社労士・カタリーナの見解は……。

<登場人物>
生田(24歳):セールス&マーケティング部に所属する第二新卒の男性社員
松本(51歳):生田の上司で、セールス&マーケティング部の男性マネージャー

社用携帯が配布されたが「GPSは常にオンで」

 ある日、セールス&マーケティング部門を統括する松本が、機嫌よく職場にやってきて部下に声をかけた。

松本「生田君、ちょっといい?これが君の新しいスマートフォンだ。仕事にもだいぶ慣れてきたし、これからも頑張ってくれよ」

生田「はい、ありがとうございます!普段使っているのと大違いだ。このスマホ、めちゃめちゃカッコいいですね」

松本「だろ?最新テクノロジー搭載の人気モデルだからね。あ、それとGPS機能はずっとオンにしておいて」

生田「GPSって、位置情報がわかるやつですよね?」

松本「出先でどこにいるか分かると、急な予定変更があっても現場近くにいる人にお願いできるしね。業務効率化にも一役買ってくれるから」

生田「でも……ずっとって、勤務時間外もオンにするってことですよね。それって、なんか監視されているみたいで嫌なんですけど」