知らないはずの間取りをすらすらと言い当てる
母親のがん寛解も予言通り…
「ご自宅のリビング、ソファのあたりに女性が3人いますね。お心当たりありますか? そのうち2人はもうお亡くなりになっている方ですが、1人は生きていて、たぶんお知り合いだと思いますよ」
予想外の指摘にびっくり。生きている女性が室内にいるなら、空き巣の類いではないか……と思ったが、S先生いわく生霊というやつらしい。筆者とわが家に執着がある女性だそうだから、追い出した前妻かもしれない。
しかしもっと気になったのは、「リビングのソファのあたり」という言葉である。家の間取りや様子については一切ヒアリングされていないから、自然にソファという言葉が出たのは不思議だ。わが家はテーブルかもしれないのに。
また、こんなことも言われた。
「寝室のほうのクローゼットですが、奥の方に前の奥さんの私物が残っているので、これは処分したほうがいいですね。運気を邪魔していますので」
これもびっくり。「寝室のほうの」とは、仕事部屋と寝室の2個所にクローゼットがあるわが家の間取りを認識しているかのようである。また、この日の帰宅後、クローゼットを漁ったが、言われた場所にしっかり前妻の衣類が残っていた。
思わず「あの、先生には家の様子が見えているんですか?」と尋ねると、微笑みながらうなずくS先生。
以降、筆者は年に1~2度のペースでS先生に会いに行くようになる。偶然かもしれないし、本物かどうかはわからないが、当てずっぽうにしては異常な確率で事実に触れている気がしてならない。ちなみにこの邂逅から数年、S先生の言葉の通り母親のがんは寛解している。
なお、このS先生に会う前には、忘れずに部屋を掃除してから出掛けるようになったことは言うまでもない。