ほぼ670万円の価格
割安にさえ感じられる充実ぶり

 スタイリングは、やはり力強く存在感がある。「威風堂堂」をコンセプトに掲げ、ユーザーから好評だというデザインをあえて大きく変えなかった方針は見識が高いと思う。その中でホイールや前後の意匠、灯火類にさりげなく最新モデルならではのエッセンスを盛り込んでいる点は巧みだ。

 インテリアはナビゲーション画面大型化やコネクティッド機能の強化、フレームレスのデジタルルームミラー、アルミペダルの採用など細かいところまで手を加えて装備の充実と質感の向上を図った。試乗車のPエグゼクティブパッケージにはリフレッシュ機能やベンチレーション機能を備えたセミアニリンのレザーシートを装備。

 注目はヤマハと共同開発した最上級オーディオ、アルティメットである。音楽を聴きながらのドライブを好むユーザーは一聴の価値がある。

 ほぼ670万円の価格は、一見すると高く感じられるかもしれないが、内容を考えるとそうでもない。むしろ、割安にさえ感じられる充実ぶりだ。

 現行アウトランダーPHEVは三菱車としてかつてないほど、輸入プレミアムSUVを愛用してきたユーザー層から注目されているモデルだ。アウトランダーPHEVは、まもなく輸入SUVの本拠地、欧州をはじめオーストラリアやニュージーランド、北米などに投入されることが決まっている。

 ライバルはもちろん強敵ぞろいである。だがアウトランダーPHEVは環境性能や、三菱独自のオフロード走破性など、彼らにはないプラスの価値を持っている。十分にわたりあえるに違いない。日本の“雄”として国内外で立派に戦ってくれるよう応援している。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也)

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