原始時代に、草原を歩いているとき草むらでガサッと音がしたとします。そのときに、「ウサギだろう」と考えて油断して、実際はクマやイノシシだったらたいへんなことになります。まず、「クマじゃないか」「イノシシじゃないか」とよくない可能性を素早く考えて、身がまえる必要があります。

 そのうえで、実際になにが起きているかを確認します。ここからは「遅い考え」です。情報を集めて、なにが起きているかを確認します。

 ウサギであれば、そのまま進んでいっていいでしょう。クマやイノシシだったら、身を守る対応をする必要があります。

 このように状況に応じて対応できれば、問題なく生活できます。

 ところが、なにかの理由で、よくない可能性が頭から離れなくなると、つらい気もちが続くことになります。ストレスも溜まっていきます。

まとめ
ネガティブな考えで自分を守っているのニャ

笑顔になると気持ちが晴れる
「外から内へ」の関係性

「3つのC」の2つめ、「コントロール感覚(Control)」というのは、自分が主体的になにかをしている、できているという感覚です。

 こころを元気にするためには、自分の行動を通して、楽しみや達成感を感じることが大事です。

「笑う門には福来たる」ということわざがあります。笑顔の絶えない家庭にはいいことが起こるという意味ですが、笑顔の絶えない人にもいいことが起こります。

 わたしたちは一般に、楽しいから笑う、元気だから動くという「内から外へ」の関係をイメージします。しかし、「外から内へ」という逆の関係もまた大切です。

「外」というのは表情や姿勢、行動などです。それが、「内」つまり、こころの状態に影響します。楽しいことややりがいのあることをすると、報酬系という脳の神経システムが刺激されて、意欲が出てくるのです。

 からだを動かすと、意欲が湧いてきます。気もちが晴れないからといって、なにもしないで家に閉じこもっていると、ますます気もちが塞ぎ込むので注意しなくてはなりません。