また、就業者1人あたりの労働生産性は8万5329ドルです。順位は38カ国中31位で、これも1970年以降で最も低い結果となりました(図1-2)。

上位50社のうち日本企業は
39位のトヨタ自動車のみ
業種別で見ると、特に落ち込んでいるのが製造業です。日本の製造業の労働生産性は、2000年にはOECD諸国でトップでしたが、現在は9万4155ドルに落ち込み、米国の6割弱ほどしかありません(図1-3)。

(2)日本企業の時価総額
時価総額は、株価と発行済みの株式の数をかけて求めるもので、企業の市場価値を表す指標です(図1-4)。

日本経済がバブル景気に沸き、ソ連のミサイルよりジャパンマネーの方が脅威とも言われていた1990年前後を振り返ると、世界の企業の時価総額ランキングは日本企業が上位を占めていました。1989年のデータを見ると、世界のトップ10企業のうち7社、トップ50社では32社が日本企業でした。上位に並ぶ企業は銀行などの金融機関が多いのですが、トヨタ自動車(11位)や新日本製鐵(15位)などの製造業も健闘し、ものづくり日本の存在感を世界に向けて発揮していたことが分かります。