京セラの創業者で経営不振のJALを再建した稲盛和夫氏が、常に心がけていた成功方程式なるものがある。この方程式さえ知っていれば、あなたも幸運を引き寄せ、仕事でも人生でも成果を上げられるようになるだろう。稲盛氏の右腕として行動を共にした大田嘉仁氏が、稲盛氏の言葉を引用してこの法則を解説する。本稿は大田嘉仁著『運命をひらく生き方ノート 約三十年、稲盛和夫氏のもとで学んだこと』の一部を抜粋・編集したものです。
運が良いのは偶然ではない
幸運を引き寄せる方程式があった
「どのような人生を送るべきか」――その答えを端的に示しているのが、稲盛和夫さんの成功方程式です。
私が稲盛さんの秘書になった最初の頃、ある講演会の冒頭で稲盛さんは「世の中には運のいい人、悪い人がいますが、どうすれば運がよくなるかを、つまり、どうすればよく生きられるかを今日はお話ししたい」と語り、成功方程式について話を始めました。私は成功方程式のことは知っていましたが、そのとき初めて、成功方程式は運をよくする方程式でもあると教えてもらい、改めて感銘を受けながら聞いていました。
今ではよく知られるようになっていますが、稲盛さんの成功方程式とは
というものです。
稲盛さんは、人生や仕事の結果は、この方程式にあるように「考え方」「熱意」「能力」という3つの要素の「足し算」ではなく「掛け算」で決まると説明しています。
人生や仕事の成果において
生まれ持った能力は重要ではない
この3つの要素のうち、「能力」は多分に先天的なものであり、知能や健康などがこれにあたります。そして、この「能力」には0点から100点まであるとします。
次に、この「能力」に「熱意」という要素が掛かってきます。「熱意」も、やる気の全くない無気力な人間から、燃えるような情熱を抱いて懸命に努力する人間まで、やはり0点から100点まであるとします。