AI(人工知能)向けデータセンターの電力需要拡大などを背景に「原子力ルネサンス(復興)」が起きている。それに伴い、残された放射性廃棄物(核のごみ)の処理をどうするか、という厄介な問題が再び焦点となっている。パシフィックノースウェスト国立研究所の2024年の報告書によると、すでに9万トン余りの使用済み核燃料が全米39州の施設に貯蔵されている。73カ所の商業原子力発電所や40カ所近い大学や政府施設もそこに含まれる。米国の原子力産業が1960年代に軌道に乗って以来、放射性廃棄物は使用済み燃料プールや「乾式キャスク」と呼ばれる頑丈な金属製容器に一時的に保管されてきた。米エネルギー省は法律で義務づけられた恒久的処分を実行できていない。そのため電力会社に支払われる数百億ドルの賠償金を納税者が負担している。