賞味期限切れ弁当、飲み物なし…
撮影現場の“過酷な食事”事情
食事についてのアンケートに届いた回答は次のとおりで、残念ながら海外の状況とは大きな隔たりがあります。
「ほぼ20時間拘束されて一食出るか出ないか。飲み物の用意もないときがある」
「技術スタッフはまともに食事できないことが多い」
●食事の時間や場所がないケース
「休憩時間が短縮されることも多く、食べる時間がない」
「撮影時間がタイトなので、撮影が終わるまで食事がないことがほとんど」
「リハーサルの時間が曖昧で食事のタイミングがわからない」
「最低限守るべき休憩時間を決めるべき」
「昼夜各1時間は、各スタッフは全ての作業をストップして食事休憩をさせてほしい」
「食べる場所を与えられない」
●食事の量が足りない
「異常な作業量をさせられた後に肉体労働者に見合わない軽食が出される」
●食事の質が悪いケース
「健康的ではない」
「添加物が多い弁当が毎日続いて胃がもたれる」
「野菜不足」
「冬場の揚げ物だらけの冷たい弁当はきつい」
「夜食がほぼコンビニのおにぎりかパン」
「提供される弁当でお腹を壊すことが多いので本番中はできる限り食べない」
「昼と夜の2食とも同じメニューの弁当」
「賞味期限切れの弁当が出された」
●食事の管理に不安があるケース
「保管の場所などがなく、空調設備もない場合がある。夏場はかなり不安」
「夏はお弁当を炎天下に置きっぱななしで危険、冬は寒いところに置きっぱななしでご飯が凍っている」
●配慮が足りないケース
「食事する場所が暗くて、何を食べてるかわからない」
「食べる場所が不衛生」
「制作部や助手などは食べる余裕がない。俳優や監督との差が激しすぎる」
「弁当があるのかないのか、先に教えてほしい」
「アレルギーなどの対応をしないため食品アレルギーを持ったスタッフが発症した」
「ベジタリアンはわがままという風潮がある」
「常に早く食事を済ませる癖がついている」
「食事取れなきゃペナルティを」
現場スタッフが求める慣習の是正
以上のような声が、毎年100件以上寄せられています。どの回答も現場経験者なら誰にでも身に覚えのあることなので、同業者はこの集計結果を「あるある!」と納得して笑いながら読んでくれます。
食事時間は「いつも規則的」という人がわずか5.3%しかいなく、「食中毒になったことがある」が9.1%(見聞きしたことがあるを含む)。どうしても衛生的に管理しにくい状況です。