京セラPhoto:Bloomberg/gettyimages

トランプ政権の劇的な経済政策転換で、追加関税による米中貿易摩擦が激しさを増すなど、世界経済の不透明感が強まっている。そんな状況の中、企業の業績にも明暗が分かれつつある。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比較し、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、ニデック、村田製作所、TDK、京セラの「電子部品」業界4社について解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)

1社だけまさかの営業赤字
他の3社と何が違ったのか

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比の増収率を算出した。対象とするのは以下の電子部品業界4社で、対象期間は2024年10~12月期の四半期である。

 各社の増収率は、以下の通りだった。

・ニデック
 増収率:11.0%(四半期の売上高6521億円)

・村田製作所
 増収率:2.0%(四半期の売上高4480億円)

・京セラ
 増収率:▲2.7%(四半期の売上高4935億円)

・TDK
 増収率:3.9%(四半期の売上高5810億円)

 電子部品業界の四半期増収率を見ると、京セラのみが減収となった。同社の10~12月期の営業利益は256億円の赤字に転落し、前年同期の258億円の黒字から大きく悪化した。また、第3四半期連結累計期間(3Q累計)の営業利益は122億円で、前年同期比84.6%減と大幅な減益となっている。

 一方、ニデックは3Q累計の売上高・営業利益が過去最高を更新し、村田製作所も増収増益となった。TDKは利益が過去最高を更新するなど、企業ごとに明暗が分かれた。

 では、なぜ京セラだけが苦戦を強いられているのか。ニデックなど3社の好調要因と併せて、次ページ以降で詳しく解説する。