大阪梅田スカイビル・空中庭園展望台Photo:photolibrary

デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は大和ハウス工業や積水ハウスなど「住宅メーカー」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

住宅メーカー3社とも
中間決算で過去最高を記録

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の住宅メーカー業界3社。対象期間は、1月期決算の積水ハウスは2024年5~7月期の第2四半期、3月期決算の大和ハウス工業と積水化学工業は24年7~9月期の第2四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・積水ハウス
 増収率:43.5%(四半期の売上高1兆820億円)

・大和ハウス工業
 増収率:2.6%(四半期の売上高1兆3654億円)

・積水化学工業
 増収率:1.3%(四半期の売上高3302億円)

 住宅メーカー業界3社の四半期増収率は、積水ハウスが前年同期比で43.5%増という圧倒的な結果を残した。同社は2~7月期累計の中間決算でも大幅に増収増益となっており、過去最高で好調だ。

 大和ハウス工業は四半期増収率が同2.6%にとどまったが、4~9月期累計の中間決算では営業利益が同22.8%増と伸びている。中間決算としては積水ハウス同様に過去最高となった。

 さらに、積水化学工業も中間決算としては過去最高の収益を更新した。

 なぜ住宅メーカーは総じて好調なのか。特に積水ハウスが四半期増収率を40%以上も伸ばした秘密は何か。次ページ以降で詳しく解説する。