子どもが被害に遭わないために
保護者ができること

 にせものスカウトから金銭目的の詐欺だけではなく、男女関係なく性的な被害に遭うこともある。保護者ができる対策の第一歩は、このような詐欺が横行している実態を子どもに伝えることである。

1、詐欺の手口を教える

 若者の好奇心や挑戦する意欲につけ込んだ詐欺があることを伝える。「レターパックで現金送れは全て詐欺です」のように、「DMでのスカウトは100%詐欺」「実際の芸能スカウトがお金を請求してくることは100%ない」ときっぱり伝えたい。

2、悪い企みを持った人が若者を騙すのは簡単だと教える

 騙す側は何百回と同じ手口をトライ&エラーで磨いている。人を疑うことに慣れていない若者が見抜いたり、その場で断ったりするのは難しい場合も多いので、「こういう場合は必ず親に相談しろと言われています」と言うなど、対策方法を具体的にシミュレーションしておくことも必要だ。

3、子どもの話を日頃から聞く

 スカウト詐欺は若者の承認欲求につけ込む詐欺であるとも言える。親や家族など周囲の大人との関係性が薄い子どもの場合、満たされない気持ちにつけ込まれやすく、被害に遭いそうになっても相談できる大人がいない。反抗期であっても子どもとのコミュニケーションをしっかり取ろうとする努力が被害予防の一環となる。

 時代とともに詐欺の手口はアップデートされていくが、根本的に変わらないのは人を信じる気持ちや好奇心など「善」につながる感情が利用されやすい点である。人を信じることも必要だが、正しく疑うための知識も同時に必要だ。