「いつも休みは何してるの？」と聞く人は頭が悪い。“頭が良い人”はどう聞いている？

「『なぜ、そう思うの？』は、絶対にNGです」
「なぜなぜ分析」をはじめに「なぜ？」という問いは“論理的に考える”ための「良い質問」だと考えられている。しかし実は「なぜ？」「どうして？」は、致命的な「解釈のズレ」を生み、噛み合わない会話＝「空中戦」を作り出してしまう元凶、「最悪の質問」なのだ。
「事実と解釈の違い。これに気づけていない人は、まだ確実に“曇りガラス”の中にいます」――。話題の新刊『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』では、世界・国内の各地で実践・観察を積み重ねてきた著者による「賢い質問の方法」＝事実質問術を紹介している。本書に掲載された衝撃の新事実の中から、今回は「ありがちなNG質問」について紹介する。（構成／ダイヤモンド社・榛村光哲）

「なぜ？」は最悪の質問

質問には、よい質問とよくない質問があります。

よくない質問の代表が「なぜ？」「どうして？」と聞く質問です。

では、それがよくないのはどうしてでしょうか。それは、第一に相手の「思い込み」を引き出してしまい、それがコミュニケーションのねじれにつながるからです。

ただ、「なぜ」以外にも同様の「思い込み」を引き出してしまうよくない質問があります。それは、私が「いつも質問」と呼んでいる、一般化された質問です。今回はそれについて考えてみましょう。

「いつも」を使うと“会話のねじれ”が起こる理由

たとえば、次の会話例を見てみてください。

特に盛り上がりのない会話になってしまいました。しかも、これでは何か聞き出せたようで何も聞けていませんよね。
では、次のパターンだとどうでしょうか。

いかがでしょうか。これは実際にあった事例をもとにしたものです。何が起きたのか、考えてみましょう。

「いつも」と聞くと、思い込みが出てくる

「いつも質問」は、事実を正確に引き出すことができない点が問題です。実際、それぞれの会話で全く違う景色が見えてきましたね。実は、「休みはいつもダラダラしてしまう」はBさんの思い込みで、実際に直近の休みは映画を見たり、友人と会ったりと、活動的に過ごしていたのです。

ここで、「いつも」という言葉について考えてみましょう。「いつも」は一体、いつを指しているでしょうか。少し考えてみると、実際にはどの時のことも指していない漠然とした言葉だということがわかります。このように、「いつも」などの「一般化した言い方」は、相手の思い込みを尋ねているにすぎません。

しかも特筆すべきは、他ならぬ当事者であるBさん自身も、そのことに自覚的ではなかったということです。つまり、「いつも質問」は相手の思い込みを誘発することで、「会話のねじれやズレ」＝コミュニケーションギャップを生じさせる、よくない質問なのです。

こういった場合は、「いつ」「どこ」「だれ」などの、5W1H（ただしWhyとHowは除く）を使って、具体的に質問する「事実質問術」を使います。本書で紹介する「事実質問術」は、「なぜ」質問だけでなく、「どう質問」にも解決策を提示するのです。

（本記事は『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』の一部を抜粋・調整・加筆した原稿です）