実際に間取りや家具の配置をチェックすると、リビングの大きなソファだけでなく、ダイニングテーブル横の古い本棚とダイニングテーブルの間や、ソファの前に置かれたリビングテーブルとテレビ台の間など、ソファの横以外にも通路幅が45~50cm程度と非常に狭い箇所がいくつかありました。
そこで現在はもちろん、もし杖や車いすを使うことになっても歩きやすい部屋になるように、家具の選定と配置を変えました。
まず、大きなソファとリビングテーブルの位置を窓際に移動。歩く際に邪魔にならないように、テレビ台もコーナー型に変更しました。
かつて家族が多かった頃に使っていたダイニングテーブル脇の古い本棚は、本の断捨離をしてから新しい本棚に入れ替えました。そして、通路幅が十分確保できるようにダイニングテーブルの配置も見直しました。






「母が長年使ってきた家具には愛着があったため、買い替えを渋っていましたが、配置を変えるだけでリビングがこんなにも広く感じられるとは驚きです。ソファを窓際に移動したおかげで庭がよく見えるようになり、昼間は自然光が入るリビングでくつろぐ時間が増えたようです。夜にトイレへ行くときも安心できるようになったそうです」と、娘さん。
Aさんも、「部屋が広くなって動きやすい」と喜んでくれました。「段差は意識していたけれど、家具の配置が危ないなんて。古い本棚はもったいなくて捨てられなかったけれど、リハビリの先生から“通路を確保してね”と言われて、思い切りましたよ」と振り返ります。