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【精神科医が教える】自分の居場所がない…と感じたとき、手放すべき“たった1つの思い込み”Photo: Adobe Stock

「自分の居場所がない」と感じるとき

 今日は「自分の居場所」についてお話ししたいと思います。

「自分の居場所がない」と感じる方は、少なくありません。仕事場や家庭、学校など、どこかに自分の居場所があるはずだと探し回っているうちに、「どこにもない」と感じてしまうことがあります。

 でも、そもそも自分の居場所というのは、どこかに「あるもの」ではなく、自分で「作るもの」なのです。

居場所は受け身で得られるものではない

「居場所がほしい」と思っても、それを誰かが用意してくれることは基本的にありません。

「はい、ここがあなたの居場所ですよ」と言われて手渡されるようなものではないく、能動的に、自分で作っていくものなのです。

 受け身で「居場所を与えてもらおう」としていると、いつまで経っても見つからない感覚に陥ってしまいます。

他人の場所を借りるリスク

 よくあるのが、「職場」や「立場」「人間関係」などを自分の居場所にしてしまうパターンです。たとえば、職場でのポジションや役割を居場所と思ってしまうと、その職場を離れることになったときに、急に自分を見失ってしまいます。

 また、ある人との関係性を居場所にしてしまうと、その人との関係が変わったときに、大きな喪失感を味わうことになります。

 つまり、自分でコントロールできないものを居場所にしてしまうと、いつかそれを失う可能性があるのです。

居場所は「自分の管理下」に作る

 大切なのは、自分の居場所を「自分で管理できるところ」に作ることです。

 たとえば、SNSでの発信、自分の趣味活動、小さな習慣、ブログなど、自分で始めて、自分のペースで運営できるものは、他人に左右されにくく、安定した居場所になります。

 もちろん、それに依存しすぎるのは良くありませんが、「誰にも邪魔されない自分の領域」を作るという意識はとても大切です。

居場所を人に頼らない

 人間関係の中でも、安心できる人がいることは素晴らしいことです。でも、その人との関係性そのものを「自分の居場所」にしてしまうと、その関係が変化したときに、自分の居場所ごと崩れてしまいます。

 居場所とは、人に与えてもらうものではなく、自分自身の心の状態、自分の行動によって作るものなのです。

自分の行動が居場所になる

 自分が主体的に取り組む行動こそが、最も安定した居場所になります。それは、誰にも奪えないものですし、自分自身が納得していれば、それだけで十分な「居場所」になります。

 他人の管理下にある場所に自分の居場所を求めると、どうしても振り回されることになります。

 ですから、最初から「自分で作るもの」として認識して動くことが大切なのです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。