誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)など、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

【精神科医が教える】ふとした瞬間に不安になる…そんなときのたった1つの特効薬Photo: Adobe Stock

ふとした瞬間に不安で頭がいっぱいに

 ふとした瞬間に不安になる人は、とても多いようです。私がYouTubeやVoicyで「不安」をテーマにお話するととても反響が大きいです。それだけ多くの人が、日常的に不安を感じているということがわかります。

 しかし、「不安」とひとことで言っても、実はいろんな状態を含んだとても大雑把な表現なのです。そのため、対策を考えるときには、どうしてもケースバイケースになってしまいます。

 本来は、その人の抱える不安の正体を個別に見極めたうえで、それに合わせた対策をとることが大切です。ただ、ここでは個別の診察はできませんから、今回は大まかな「不安の捉え方」や「基本的な対策」についてお話ししたいと思います。

不安とはどんな状態か?

 不安というのは、基本的に「ざわざわして落ち着かない」「どうしたらいいのかわからない」という、いわば“状態”です。

 この状態は、多くの場合「考えすぎ」から生まれます。もう少し正確に言うと、「考えること」にはどうしても不安がついてまわるのです。つまり、不安というのは“考えることとセット”でやってきます。

不安の特効薬とは?

 では、この不安に対する特効薬は何かというと、それは「考えるのをやめること」です。

 もちろん、「考えるのをやめろ」と言われてすぐにやめられるものではありません。ですが、不安になっているときは、たいてい“考えることだけが先走っている”状態になっていて、目の前のことに集中できていないのです。

 そのため、「考えることよりも先に優先すべきことをつくる」ことが大切です。これは、私がよく言っている頭がお暇になっている”状態と近いです。つまり、何もしていないときに思考ばかりが暴走してしまうのです。

行動が不安を消してくれる

 人間は「行動する」と、その行動に意識とエネルギーが向かうので、自然と考え事が減っていきます。考え事が減れば、不安も自然と小さくなります。

 ですから、不安を感じているときには、とにかく「行動すること」を意識してください。たとえば、部屋の掃除をする散歩に出かけるドライブをする、何でも構いません。行動を起こすことで、脳の働きが「考える」モードから「動く」モードに切り替わるのです。

 ふと立ち上がって歩くだけでもいいです。そうすると、余計なことを考える余裕がなくなり、結果として「不安になる余裕」もなくなるのです。

「考える=不安」と認識する

 不安というのは、「考えることとセット」であるという認識をしっかり持っておくことが大切です。

 つまり、「不安の正体は考えすぎだ」と気づくだけでも、少し楽になれるかもしれません。

「考えるのをやめる=不安が軽くなる」という原則を覚えておくだけでも、日常の中での不安対処がぐっと楽になると思います。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。