「子どもが感情的になり、言うことを聞かない」「他の子と比べて、うちの子が遅れていないか心配」「褒美を与えないと頑張れない子になりそうで不安」など、幼児の時と比べて、親の悩みが尽きません。小学校6年間は、良くも悪くも親の影響を受ける最も多感な時期。自分で考えて学ぶ子は、どのような生活環境にあるのか。「指導実績」×「心理学」×「ベネッセのデータ」でわかった最高の教育を「声かけ」というシンプルな方法でお伝えします。誰でも一度は感じたことのある子育ての悩みを、簡単に解決するには「声かけ」を変えることです。『自分で考えて学ぶ子に育つ声かけの正解』より、「ほめ方」「しかり方」よりももっと大事な「声かけ」で、「子育てあるある」に対応したノウハウをお伝えします。

子どもの「1年前」と「今」を比べる
毎日接していると、我が子のできていないところが目についてしまいます。
よくある悩み相談に、「自分が親に怒られていたように、我が子にも同じように怒ってしまう」があります。親である自分が子どもの頃、嫌だったはずなのに、同じように怒ってしまうのは避けたいところです。
怒ってしまうのは、やはり、誰かとの比較が原因です。比べることをやめるだけで、自分の親と同じような怒り方はしなくなります。「わかっているんです。でもしてしまうんです。どうすればいいですか?」という相談をたくさんもらいます。
そんなときは、我が子の1年前と今を比べてみましょう。子どもは大人と違って、時間が経つだけで成長します。1年前の我が子をイメージしておくと、対応が変わります。
「1年前」が大事なポイントです。たった数日では変わりませんが、1年前と比べれば、「あれもできるようになった」「これもできるようになっている」と感じるはずです。違いがすぐわかるためにも、子どもの成長を記録しておきましょう。
1年前と今を比較するには、成長を記録しておく必要があります。日々の小さな進歩や出来事をメモに残すことで、後から振り返る際に子どもの成長を具体的に実感することができます。
「成長記録をつけていなかった。そういうことが苦手なんです」
「赤ちゃんの頃はしていたけれど、今は忙しくてできていません」
そんな声を聞きますが、スマホで写真を撮っておくだけでいいのです。今スマホを見返したら、我が子の1年前の写真があるのではないですか。今の親はSNSなどに意外と残してあるものです。ぜひ、見返してみてください。
(本原稿は、『自分で考えて学ぶ子に育つ声かけの正解』より一部抜粋、再編集したものです)