「トランプ本人よりもトランプ的」に振る舞う、米副大統領に透ける側近たちの行動原理【池上彰・増田ユリヤ】バンス米副大統領(右)は、2月28日に米ワシントンで行われたトランプ米大統領(左)とウクライナのゼレンスキー大統領の首脳会談に出席。ゼレンスキー氏との激しい舌戦に加わった Photo:CNP/JIJI

ゼレンスキー大統領を捲し立てる米副大統領

増田「私が大統領になれば、24時間以内に戦争を終結させることができる」と米大統領選挙中に豪語していたトランプ大統領。就任後、終結までの期間を「6カ月」に延長はしましたが、ロシアとウクライナの停戦交渉の仲介に早速乗り出しています。

池上 就任から2カ月余りの3月19日、トランプ氏はロシアのプーチン大統領と電話協議を行い、エネルギー関連施設への攻撃を停止することで合意。ウクライナのゼレンスキー大統領は「米国から詳細を聞く」としながらも、米国が保証人となり、部分的にでもロシアが停戦条件を守るのであれば、ウクライナもこれに同意するとの姿勢を見せました。

増田 トランプ氏の就任後初となる2月28日の米ウ首脳会談が決裂し、協定への署名も見送られましたから、一時はどうなることかと思いました。

池上 記者や報道カメラを入れた談話の場面で、トランプ氏、バンス米副大統領がゼレンスキー氏と口論する形になり、米国側が高圧的な態度に出て、初会談は終了しました。

 まさに“破局”的な、ショッキングな映像でした。

増田 初めはトランプ氏も「大統領をお招きできて光栄だ」と述べるなど、悪い雰囲気ではありませんでした。ところが、バンス氏がバイデン前米大統領の対ロ姿勢を引き合いに、「これまでの4年間、米国にはロシアに厳しい大統領がいた(が、ロシアの侵略を止められなかった)。和平への道、繁栄への道とは、外交に取り組むことかもしれない」とロシア非難よりもロシアとの外交、つまり話し合いをすべきだとの姿勢を見せたあたりから様子が一変。

 ゼレンスキー氏が、クリミア半島がロシアに占拠された2014年以降のロシアの振る舞いに言及した後に「バンス副大統領、どういった外交の話をしているのか。どういった意味で言っているのか」と述べると、バンス氏は「無礼だ」「トランプ大統領への礼があってしかるべきだ」などと捲し立てたのです。