
4月6日の未明から東京や神奈川、愛知など8都県の高速道路の料金所で、ETCの大規模障害が発生しました。38時間後にようやく応急復旧が発表されましたが、今回のNEXCO中日本のおざなりな対応には怒りしかありません。何がいけなかったのか、利用者目線で解説します。(モータージャーナリスト/安全運転インストラクター 諸星陽一)
ETC大規模障害に怒り心頭!
4月6日、午前0時過ぎから中日本高速道路(NEXCO中日本)のETCで障害が発生し、ETCレーンが利用できなくなり多くのクルマが被害を受けました。
本稿を書き始めた時点(4月7日正午過ぎ)では原因は不明、復旧のめどが立たない状況だと伝えられていましたが、午後2時にようやく「全ての料金所で応急復旧作業が完了し、料金を徴収しています」などと発表されました。ただし、本復旧に向けた作業は続くようです。
ETCは車載器と料金所のアンテナが無線通信して料金を収受するシステムです。全てが電気的なデータ処理で行われているので、こうしたトラブルが時に起きて当たり前かもしれません。しかし、問題はトラブルが起きたときの対処の仕方です。
そもそも、高速道路会社では積極的にETCの普及を進めてきました。首都高速ではETC利用者でなければ流入できない料金所もありますし、NEXCO中日本でも同様にETC専用入口を増やしています。高速道路利用にはETCが当たり前になってきています。
今やクルマの多くがETC車載器を搭載し、使用可能なETCカードを使っています。利用者は何があろうともETCを利用、もしくは利用できない場合はそれ相応のサービスが受けられなくてはなりません。
にもかかわらず、今回の大規模障害で料金所では渋滞が発生し、利用者に多大な迷惑を掛けています。現場の対応をテレビなどで見ていると、料金所で係員が入口で通行券を配っている場合もあれば、そのまま通過させているところもありました。