
日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第9回(2025年4月10日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)
高知県での視聴率は驚異の41.6%
「たまるか」連発の第9回
『あんぱん』第1回の総合視聴率(世帯)が高知県では41.6%と発表された。高知のほぼ半数の人が視聴していたとは。嵩のモデルであり、不朽の名作『アンパンマン』の作家・やなせたかしがいかに郷土の星であるかわかる数字である。また、人々の志向が多様化している時代、脅威の数字でもある。
こういうとき「たまるかー!」と言うのだろうか。初回からもう何度も出てきた「たまるか」は、土佐の言葉で「わあ!」とか驚きや感動を表す感嘆符。悲しいときも使用できるようで、使い勝手が良さそうだ。
さて、第9回。
「朝田パン開店しました!」
しょんぼりなことが続いていた嵩(木村優来)とのぶ(永瀬ゆずな)がひととき笑顔になった。嵩には母・登美子(松嶋菜々子)からハガキが届き、のぶはパン屋が開店して前向きな気持ちに。子どもの笑顔はいいものだ。もちろん大人の笑顔もいいけれど子どもに笑顔でいてほしい。