「いまの時代、ここまで忖度なしに書かれた本はない」
新年度を迎え、そんな声が多数寄せられているのが、書籍『ベンチャーの作法 -「結果がすべて」の世界で速さと成果を両取りする仕事術』です。
転職エージェント「キープレイヤーズ」代表の高野秀敏さんが、1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援の経験で見てきた、「結果を出す人の働き方」をまとめました。“きれいごと”抜きの仕事論に、「結局、すべての仕事で大事なのってコレだよね」と、社員や経営者、ベンチャーや大企業を問わず、共感する人が続出する異例の反響となっています。
この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「キャリアについての考え方」をお伝えします。

頭の悪い人は「同僚が辞めたら自分も転職する」。では、頭のいい人はどう判断する?Photo: Adobe Stock

「転職タイミング」はどう考えればいい?

 転職は、人生をより良くする絶好の機会です。
 しかし、その判断は難しいもの。

 私は転職エージェントとして、1万人以上の転職相談に乗ってきました。話を聞くうちに、「たしかに転職してもいいかも」と思うこともあれば、「まだ転職を考えるのは早いのでは」と思うこともありました。

 組織からの旅立ちは、いつ決断すればいいのか。
 お伝えできればと思います。

「よく人が辞める」は危険信号なのか

 まず、いちばん多い転職理由が、これです。

「うちの会社、よく人が辞めていくんです……」

 毎月のように退職者がいると不安になるものです。

「この会社、やばいのかな……」
「自分も早く逃げ出したほうがいいのかな……」

 そんな焦りにかられます。

 実際、ベンチャーは人がよく辞めます。
 ビジネスモデルが安定していない、いわゆるPMF(プロダクトマーケットフィット)していない創業から10年くらいまでの期間は、人の入れ替わりも激しいものです。

 創業当初から数年で過半数の社員が入れ替わっているということもあります。

「離職率20~30%」なら焦らなくていい

 ですが離職者が多いくらいで、焦って自分まで転職を考える必要はありません。

 どのベンチャーも20~30%くらいの離職率はあるのが普通だからです。

 勝ち筋のビジネスモデルを見つけるまでに何度も進路を変えるなかで、必要となる人材や活躍できる人材が流動的になるのは当たり前なのです。

(本稿は、書籍『ベンチャーの作法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。書籍では「結果を出す人のキャリアの築き方」を多数紹介しています。)