ツポー国王なんて、飛行機に乗るにも2座席を占拠しないと座れないくらい太ってた。で、トンガが国を挙げたダイエット作戦を敢行したというんです。これは面白い、と「トンガ式ダイエット」の企画を立てて、記者をトンガに取材に行かせました。
――すごい発想ですね。
花田 どうしたら雑誌が面白くなるかということだから。知りたいじゃない、トンガ式ダイエット。
――膨大な人脈や興味関心の中に、右っぽい感性もある。だから雑誌によって、自分の中のマトリックスの位置を調整しているというような感じですかね。『WiLL』の時は、全体の中のジャーナリズム的な朝日新聞批判や、保守っぽい、右っぽいところに焦点を当てていたと。
創刊号の特集が〈厄介な国、中国〉、2号目が〈皇室、戦後最大の危機〉、3号目が〈わが家の“教育基本法”〉。この時は写真がメインの表紙。4号目からは表紙もガラッと変わって、〈朝日新聞を裁く!〉が爆発的に売れました。
花田 朝日新聞批判はもともと文春時代からやってた。朝日新聞、中国共産党、そして小沢一郎のカウンターが『WiLL』の「3大テーマ」。今や、中国はますます強大になる一方、朝日新聞は部数減、小沢一郎はもう終わったな(笑)。
――同じ年なんですよね、小沢氏とは。
花田 そう、1942年生まれ。小沢一郎、カダフィ、金正日、小泉純一郎……。
――「独裁者の星」と呼んでました。
花田 『小沢一郎増刊号』まで作って批判したからね。
冤罪報道で見えてきた
雑誌の“本当の顔”
――朝日、中国、小沢を叩いていたから右寄りに見えただけ。雑誌のコンセプトとして「右に寄せよう」というわけではなかったんですね。
花田 そうですね。もちろん朝日新聞を批判しているし、保守の論客だった渡部昇一さん、最近では櫻井よしこさんをメイン論客に据えているから、右に見られても仕方なかったところはあると思うけれど。でもメイン以外の記事を見てもらえば、右ってだけではなくかなりバラエティに富んだ面白い記事が揃っているとわかるはずですよ。