転職先を理想的な
職場環境に変える
でも、日本の場合、多様性を受容する職場環境はあまり整っていないでしょうから、新人君にしても、転職してやってきた人にしても、自分が尖った存在であればあるほど、既存の組織に受け入れられるのは大変だと思うんです。
卒業したての新入社員だったら、尖った部分を自分で削り落として同化していこうとしますね。大学時代に所属したサークルでの活動とか、持っていた趣味とか、そういう趣向性を消し去って、早く大人の社会に合わせようとする。これは、転職者にも当てはまる現象です。
何か尖っているものを、受け入れる側も入ってきた側も大事にして、それぞれが違った強みを持ちつつ、方向性を合わせていく。それが多分良い形の多様性であり、公正な受容性のあり方じゃないかと思います。
新しく組織に加わった人は、新しい環境、会社、集団で自分のポジション探しをするために、この人はどういう人かって見るところから始まると思う。
そこはすごく大事なんだけど、相手に合わせることが目的ではないはず。

周りに合わせて自分を変えるよりは、それに対して自分はこういう人なんだ、とちょっとずつ出していって、すり合わせをしていく。
だから、転職して新しい集団に入ったからといって、無理に慌てて馴染む必要はない。
それが、理想的な職場環境のありようであり、理想とするチームビルディングなんだろうと思います。誤解を恐れずにいうと、この世に理想の転職先なんてものはなく、転職先を理想的な職場環境に変えていく努力こそが大事だということではないでしょうか。