「一夜漬け」で乗り切れるテストと「どう考えてもムリ」な試験の明らかな違い【脳内科医が解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

学生時代に誰もが経験したであろう、テスト前の「一夜漬け」や、「語呂合わせ」の年号暗記。これらは実際に、どれほどの有用性があるのだろうか?脳内科専門医の著者が、脳のポテンシャルを引き出す効果的な学習法を解説する。※本稿は、加藤俊徳『衰えた脳を呼び覚ます すごい記憶力の鍛え方』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。

一大ネットワークを形成する
「脳番地」とは何か

 脳には、1000億個を超える莫大な神経細胞が集まっており、それぞれに役目があります。同じような働き方をする細胞同士が集まって、脳細胞集団を形成しています。

 脳は、あなたという人間を動かすために存在する巨大な「会社」のようなもの。

 私は、脳における「部署」のような役割を果たす場所を、それぞれの役割に分類し、「脳番地」と名付けました。脳を1枚の地図に見立てて、その働きごとに住所を割り振ったのです(図1)。

図1 8つの脳番地図1 8つの脳番地 同書より転載 拡大画像表示

 脳には左脳・右脳があり、働きによって、大きく8つの系統に分けられます。

 これらの脳番地は、お互いが影響を与え合い、一大ネットワークを形成しています。細胞は老化によって年々減少していき、脳の神経細胞も例外ではありません。

 しかし、脳番地同士をつなぐネットワークは、連携を繰り返して神経細胞を強くします。脳番地同士のつながりを強くすることで脳はいつまでも成長し、脳の機能は強化されていくのです。