詳しくは後ほど解説しますが、暗記タイプは大きく3つに分けることができます。

(1)視覚系タイプ=見ることで理解しやすい人…視覚系→理解系の回路が発達している

(2)聴覚系タイプ=聞くことで理解しやすい人…聴覚系→理解系の回路が発達している

(3)感覚・運動系タイプ=体験することで理解しやすい人…感覚・運動系→理解系の回路が発達している

 視覚系脳番地・聴覚系脳番地・そして身体の皮膚感覚を司る感覚野(感情系脳番地の1つ)は、身体活動を司る運動系脳番地と共に働き情報を取得する「入力系」と呼び、これらの入力系脳番地と、理解系脳番地がどう結びついているかが重要です。

 たとえば、何かを覚えようとする時に、視覚系と理解系のつながりが強い人が「聞いて覚えよう」とすると、すぐ脳のキャパシティをオーバーしてしまうでしょう。脳が不得意な方法で覚えようとすると、脳自体が緊張して記憶系脳番地がうまく働きません。これは逆にいえば、リラックスしている時には記憶系脳番地がよく動くということ。自分が得意な方法で暗記を行えば、本来の脳の実力を発揮できるというわけです。

本を読んで覚えられる人
耳で聞いて覚えられる人

 運動系や聴覚系よりも視覚系が得意な人には、本を与えるなり映像を見せるなりして視覚系脳番地を動かしつつ覚える方が向いていて、覚えられる量も段違いに増えます。

 自分に合った「記憶脳タイプ」を知ることで、脳のキャパシティが「大きくなる」のではありません。もともとあなたが持っていた広大な脳のキャパシティを、自分自身で実感できるようになるのです。

 さて、その3つの記憶脳タイプが実際にどんな役割を果たすのか、説明していきましょう。

(1)視覚系タイプ=目で見て記憶する

「視覚系タイプ」は、目で見た情報を記憶するのが得意な人です。

 本を読んで覚えられる人がこのタイプにあたります。この後に説明する聴覚系タイプ同様、目の前に見えているものをすべて記憶するのではなく、情報を選択する、つまり「見たいものを見る」という特性があり、その選択性をうまく利用することで記憶力の強化に繋がります。